目覚めの時
朝、まだ目覚めないのか彼は眠ったままだ。
薄っすらと日が昇り始め、辺りは夜の闇を解放し静かに白み始める。
葉には朝露がポツポツと滑り始めている。
横顔をそっと覗いてみた。
白に近い銀髪が薄っすらとウェーブを描いている。
少し手で触れてみると、それは柔らかく艶やかだ。
少し童顔っぽく、だが整った顔立ち。
呼吸をするたびに睫も少し揺れている。
この顔が多くの人の命を奪い、傷つき苦悩していたのを知っている。
光溢るる姿に変り、それ以来彼は吹っ切れたように清々しく、
そして誰よりも強くなっていくのを知っている
戦いにおいて常に前線で自分達を守ってくれる。
傷つきながらも苦悩しきっていた頃とは違う、
戦いの合間に見せる穏やかな顔や少し戸惑うような幼い表情も知っている。
でも。
自分はこの時の。
朝靄に包まれ、安らかに眠っている彼とのこの時間が一番好きなのかも知れない。
「んん」
ふっとゆっくりと瞳が開く。
また今日も朝がやって来る。
このバロンの朝。
戦争が終わって、二人一緒に共に過ごすこの朝。
ずっと続くといい。穏やかなこの時間が。
覗き込んでいる私に気が付いたのか、彼も見つめ返してくれる。
微笑んだ私を見て彼も共に微笑んでくれる。
「おはよう、セシル」
「おはよう、ローザ」
今日も一日が始まる。
この一日一日が。夢にまで見ていた平穏の日々が。
彼との日々が。
ずっと続くといい。
目覚めの時
短いですが、初めてセシロザ書いてみました。
戦いが終わり共に過ごすようになってから
「一日の朝の始まり」
そんな幸せな時間を表現出来てたらいいな。
2007.6.18
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